新発見の自筆譜からの原典版

レーガー:6つのプレリュードとフーガ op.131a (ヴァイオリンソロ)
Max Reger Sechs Praeludien und Fugen op.131a fuer Violine allein [Carus Verlag]
2019年、プラハ音楽院の図書館で、失われたと思われていたレーガーの弦楽作品 op.131a~131dの自筆譜が見つかり、当時小さなセンセーションを巻き起こしました。これら晩年の作品は没後に出版された初版でしか知られておらず、ある専門家曰く「音楽的孤立の代表例だ」とのこと。Carus社がその新発見の自筆譜を基に「原典版」として新譜を順次刊行、op.131a が今回刊行されたことで4作品すべて出揃いました。
1914年、ドイツ・ハーゲンでの演奏会のあと、レーガーは脳卒中の発作で倒れ、医師から演奏と作曲活動を完全に禁止されました。それでもレーガーの音楽意欲は衰えることがなく、ハーゲンから温泉保養地として有名なイタリアのメラーノに移り、療養中にこの作品を書きあげました。